ゼミのテーマ

消費者心理学

中川ゼミは消費者心理学のアプローチからマーケティング研究をおこなうゼミです。単に「どうすれば売れるか(売れないか)」という事象のみを調査で追うのではなく、その現象の背後にある消費者の心理メカニズムの解明を目指して、消費者心理学の理論を学んでいきます。また、単に理論を学ぶだけでなく、実証的にアンケート調査や店頭での行動観察調査、POSデータや購買履歴データの分析などをおこなって研究しています。

ゼミの運営方法

(そもそもですが)名城大学経営学部のゼミナールは4年間必修で、このうち専門ゼミは2年生前期から卒業までの3年間です。専門ゼミ1(2年生)と専門ゼミ2(3年生)を合同で2コマ連続でおこなうところに、名城経営のゼミの特徴があります。2年前期から3年生といっしょに本格的なゼミ活動をするので、2年後期や3年前期から専門ゼミが始まる大学よりも早く長く成長することができますまた、毎週2コマ連続180分の時間をかけるので、1コマ90分のゼミの大学よりもプレゼンやディスカッションなどを時間をかけておこなうことができます。そして、2年次に入るゼミに卒業するまで3年間所属することになるので、単年度開講のゼミの大学に比べて継続性をもって積み上げ式に研究に取り組むことができます。さらに、1学年定員310名(定員厳格化で実際もほぼ同数)に対し約30名のゼミ担当教員がいるので1ゼミあたり平均10名程度となり、1学年20人程度のゼミの大学と違って、指導において教員の目が届く規模感となっています。なお、専門ゼミ3(4年生)では、全員が卒業論文を提出をしなければなりません。

(本題に入りますが)中川ゼミの専門ゼミ1・2では、まず教科書を輪読していくことによって消費者心理学の基本的な理論を一通り学んでいきます。報告グループが教科書のレジュメを作成し、輪読をリードしていきます。そして毎回課される課題レポートについて、プレゼンします。さらにはこれら通常のゼミ活動と並行して、研究グループごとに消費者心理学に関する研究を進めていきます(いわゆるパートゼミ)。その研究グループの活動の成果(ゼミ論文)を、MRGP(マーケティングリサーチグランプリ)で発表することになります。MRGPとは、青山学院大学石井ゼミ、中京大学井関ゼミ、成蹊大学井上ゼミ、東洋大学大瀬良ゼミ、山形大学兼子ゼミ、駒澤大学武谷ゼミ、名城大学中川ゼミ、駒澤大学中野ゼミ、千葉商科大学松本ゼミ、近畿大学峯尾ゼミのマーケティング系ゼミが参加している研究プレゼン大会です。各研究グループはMRGPでの優勝を目指して、特に9月以降ゼミ論文作成のために奮闘しています。

専門ゼミ3では、12月までに卒論を完成させていきます。消費者行動やマーケティングをテーマとする限り、内容は自由です。実験・アンケートを実施する定量研究の場合は15,000字以上、実験・アンケートを実施しない定性研究の場合は20,000字以上の卒業論文を12月末までに提出していただきます。基本的には個別指導になりますが、節目では全体ゼミをおこない、全員の前でプレゼンしていただきます。定量研究の場合、典型的には以下のようなステップで研究が進められます(石井淳蔵 2009『ビジネス・インサイト』岩波新書)。

    1. 経験からの帰納あるいは理論からの演繹を通じて、仮説を立てる。
    2. 仮説を構成する概念群を定める。
    3. 検証できる概念間の関係図式(モデル)を決める。
    4. それらの概念を測定する指標を決める。
    5. それに沿って統計分析が可能なデータを集め、多変量解析などの統計分析をおこなう。
    6. 指標の妥当性を確認し、仮説(関係図式)の妥当性を確認する。
    7. 仮説どおりの結果が出ていれば、その理論上・実践上の意義を説明する。仮説どおりの結果がでなければ、概念、概念を測定する指標、さらにはモデルが適切であったかどうかを再検討し、訂正して再度分析をやり直す。

ゼミの時限と場所(2023年度)

専門ゼミナール1・2(2・3年生)

  • 木曜日1・2限(2年生と3年生の合同ゼミ) ※年6回、木曜日午後に4年生と合同で実施
  • 共通講義棟北 N-506
  • サブゼミは木曜日3・4限 ※来週のゼミの予習・復習と報告準備

ゼミ教室(共通講義棟北 N-506)

専門ゼミナール3(4年生)

  • 水曜日4限 
  • 研究室(個別)
  • 2~4年合同ゼミ・・・4/6、6/1、7/20、9/14、11/16、1/11(計6回) ※2・3年生と合同で実施
 

テキスト(2023年度)

  • 李光鎬・渋谷明子編(2021)『メディア・オーディエンスの社会心理学(改訂版)』新曜社
  • 小宮あすか・布井雅人(2018)『Excelで今すぐはじめる心理統計』講談社

入ゼミにあたっての注意点

  • アンケート等のデータ分析をおこなったり、グループ論文作成のための作業のため、ノートPCを頻繁に使います。ゼミ時にノートPCを持参ください。
  • 東京で開催されるMRGP(マーケティング・リサーチ・グランプリ)に参加するため、東京までの往復交通費が必要になります(年2回)。
  • ゼミ合宿はありません。ただし、MRGPの最終報告会時には東京(国立オリンピック記念青少年総合センター)に前泊します。
  • ゼミの懇親会を不定期に実施しています(年に数回程度)。

中川ゼミ生が履修すべき科目

  1. 消費者行動論(後期・水曜5限)
  2. マーケティング・リサーチ論(後期・金曜4限)
  3. 統計学入門(後期・火曜5限)

※国際経営学科の学生も(他学科履修で)1と2を履修してください