対面×オンライン講義

8月に入り、日中の酷暑に堪える時期となりましたが、皆さんどうお過ごしでしょうか。また、本日より愛知県独自の緊急事態宣言が発令されました。皆さんも体調管理を怠らず、健康に過ごせるように注意して生活しましょう。

さて、本日、中川ゼミでは1週間ぶりのゼミで、前期最後のゼミとなりました。今回は初の試みとなる、対面×オンラインのハイブリット形式での取り組みを行いました。リモート希望者が22名中6名いましたので、対面での出席は16名でした。

ゼミの冒頭に前回課題である「市場における欺瞞戦術の具体的事例」の発表を行いました。情報自体の捏造を行った広告がある一方で、”言葉の表現方法”による欺瞞(情報自体がすべて嘘というわけではない)広告が実際に使われていることを確認できました。また、チャルディーニによる「対人的影響力についての具体例」の発表を行いました。多くの班で、「社会的証明」、「好意」、「希少性」の3項目を取り上げているのが見られ、消費者はこの3点を特に重要視して購買行動を行っているのだと思いました。

山田一成・池内祐美(2018)『消費者心理学』第12章では、「消費者と社会的アイデンティティ」について学習しました。今回学習した基本的な用語について以下に記載します。個人の態度や行動の基準となる枠組みを準拠枠と言い、その枠組みを提供する集団を準拠集団と呼びます。この準拠集団は、所属集団、願望集団、拒否集団の3つに分類されます。

所属集団:家族や会社の同僚グループなど自分が実際に所属している集団のこと

願望集団:所属したいと志向する憧れの集団のこと

拒否集団:所属すると自分のアイデンティティを誤って認識される恐れがあるため、避けたいと思う集団のこと

また、準拠集団は消費者に、3つの影響(情報的影響、功利的影響、価値表出的影響)を与えるとされます。

情報的影響:情報の獲得に関する影響のこと

功利的影響:消費者の行動が他社の好みや評価に影響されることであり、換言すれば、準拠集団に応えようとすること

価値表出的影響:自己概念を高めたり、維持しようとする動機と関係しており、自己表現のために自己と準拠集団を結び付けようとする過程で受ける影響とされる

象徴的便益の概念では、ケラーによれば、便益とはその製品やサービスの属性に消費者が付与する個人的価値や意味のことであり、使用者のイメージと対応するものだと述べています。例えば、高級車に乗っていると自分に自信が持てるといったことがこれに当たります。消費者は高級車の機能的な便益だけでなく、それがもつ印象も重視しているという事です。一方で、ハーレー(バイク)のような排気音が大きく、燃費が悪い乗り物は一般的に毛嫌いされる傾向があります。しかし、これを好む人がいるのも事実です。一見不便に思えるような特徴でも、消費者(マニア)にとっては、良いイメージ(騒音=かっこいい)になることも留意すべきだと思いました。

次回のゼミ(9/2)では、MRGPに向けた最終報告会を行う予定です。当日までは約1か月の期間ですが、夏休みの間にインゼミで何度か話し合いを重ね、当日までにさらにブラッシュアップしていきたいと思います。

愛知東邦大学の吉村美路先生からお菓子の差し入れをいただきました。吉村先生ありがとうございました。美味しくいただきました。

 

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