宇宙と雑誌でタイムトラベル

新緑を吹き抜ける風が心地よく感じる季節になりました。皆さまいかがお過ごしですか?

今回のコラムは副ゼミ長の鈴木が担当します。

5月も後半にさしかかり、中川ゼミの活動も少しずつ本格化してきました。MRGPに向けた研究チームも結成し、テーマについて各チームで話し合いを進めています。

私は最近、部屋の大掃除をしました。着なくなった洋服や使わなくなった教科書などの断捨離もついでに行いました。断捨離中に私は引き出しの奥深くにしまっていた雑誌たちを見つけました。この雑誌たちを久しぶりに開いてみて、私は自分が小学生だった時のことを思い出しました。

小学生だったころの私は宇宙が大好きでした。おそらく、父に買ってもらった学習系の漫画で宇宙について書かれているものを読んだことが興味を持ったきっかけだったと思います。その後、無事に宇宙オタクになった私は小学生ながらにNewtonという科学雑誌を買ってもらい、家でも学校でも読んでいました。今思えばなかなかに変わった小学生だったと思います。雑誌からは宇宙の誕生と最期、ブラックホールの種類、ダークマターなど様々なことについて学びました。…本当に変わっていますね(笑)

このように宇宙に関することで興味を持った分野は沢山あったのですが、その中でも記憶に残っているトピックがあります。それは、タイムトラベルです。タイムトラベルというと、SFの世界で描かれるもの、という印象が強いかと思います。しかし、原理的には宇宙を使ってタイムトラベルをすることができるのだそうです。

方法の1つ目に、地球から宇宙船でブラックホールに向かい、近くにしばらく滞在してからまた地球に戻ることが挙げられます。この方法を使うと、未来にタイムスリップすることができます。なぜかというと、ブラックホールの周辺では強い重力が働くからです。どのぐらいの強さかというと、光さえも中から出ることができないほどの強さです。このように強い重力が働くことで時間の流れが遅くなります。ブラックホール周辺では時の流れが遅くなりますが、地球ではいつも通りのスピードで時が進むため、地球に帰ると未来にタイムスリップすることができるのです。

また、過去にタイムスリップする方法もあります。それはワームホールを使うという方法です。ワームホールは聞いたことがない方も多いかと思います。簡単に説明すると、ワームホールは空間Aと空間Bをつなぐトンネルのようなものです。ワームホールを潜り抜けると一瞬で別世界に移動することができます。タイムスリップの方法は、まず、ワームホールの片側の出入口を光速に近い速さで遠ざけます。そして、すぐに出入口を元の場所まで戻します。この操作を行うと、光速で移動させた出入口の方の時間の進みが遅くなります。そして、移動させた方の出入口に入り、ワームホールをくぐりぬけると過去にタイムトラベルをすることができるのです。

ここまで宇宙を使ったタイムトラベルの方法を2つご紹介させていただきましたが、これらの方法はまだ実現されていません。しかし、タイムマシーンに乗らなくても広大な宇宙でタイムトラベルができたら素敵ですよね。

今回は拙いながら、小学生時代に興味を持っていた宇宙についてお話させていただきました。このコラムを書くにあたって改めてNewtonを読み返したのですが、なかなかに専門的なことが書かれていると感じました。万有引力、相対性理論、電荷など今の私が見ても取っつきにくいと感じるトピックが多々見受けられました。しかし、当時の私は宇宙についてもっと知りたいという一心でなんとか意味をかみ砕きながら読み進めていたのだと思います。

約10年越しに読んだNewtonは小学生だったころの私に会わせてくれたような気がします。さながら、過去へタイムトラベルしたような気分になりました。

中川ゼミのtwitterアカウントはこちら

投稿者プロフィール

鈴木真帆
鈴木真帆