活動報告(4)

私たちは店内商品の販売促進について研究することを目的とし、大須商店街に店舗を構える沖縄宝島名古屋店さんにご協力いただきました。私たちのチームでは、数ある商品の中でも沖縄の名産品である泡盛を研究対象とし、「泡盛は認知度が高いのにも関わらずなぜ飲まれていないのか」を研究テーマとして活動をしてきました。私たちは、泡盛を取り巻く環境を調べるのと並行して、泡盛の特徴や魅力、強みを見つけることから始めました。沖縄宝島名古屋店さんからいただいた泡盛の試飲をおこない、どんな飲み方が泡盛の魅力を1番引き出せるのか思案していたところ、泡盛はコーヒーやコンソメスープで割って実際に飲まれているという衝撃の事実を受け、他のお酒に比べて色々な飲み方ができることが強みだと気が付きました。

しかし、泡盛が今後飲まれるようにするにはどうしたらよいのかという提案の部分で、類似している他のお酒と差別化をうまく図ることが出来ず、段々行き詰まるようになってきました。先生から何かアドバイスをもらえないかと伺ってみたところ、「成功事例や文献から提案を考えるのではなく、こんな方法なら泡盛がもっと売れるのではないかという提案を自分たちなりに考え、それを裏付けしてくれるような成功事例や文献を探してみなさい。」とおっしゃってくださいました。残念ながら、沖縄宝島名古屋店さんからいただいたPOSデータの解析が間に合わず、泡盛は店内商品の販売促進について提案から降りることになりました。ですが、研究テーマは変えることなく名古屋マーケティングインカレに向けて、今後も研究を続けることになりました。名古屋マーケティングインカレとは、愛知県内にある他大学と研究内容をプレゼンテーション形式で発表し、研究内容を競い合う大会のことです。私たちの発表を聞いてくださった他大学の先生から、「理路整然としており聞きやすかったが、泡盛の魅力は飲み方の幅が広いこと以外にもあるはずだ。もっともっと、泡盛というものを突き詰めていきなさい。」と、激励の言葉をいただきました。

それから私たちは泡盛に関する文献や新聞、ニュースを今まで以上に調べることにしました。そこで、泡盛のフレーバーホイールというものをニュースで発見しました。これは、泡盛が他のお酒よりも香りの種類が多いことを示すもので、私たちのチームは人間の五感である「味覚」と「嗅覚」に着目した、感覚マーケティングの観点から泡盛の魅力を伝え、泡盛を飲みたくなる提案を考えていくことに決めました。

12月に行われた名古屋マーケティングインカレの最終発表では、泡盛は他のお酒に比べて「飲み方の幅が広い」こと、「香りの種類が豊富」であることから、他のお酒で模倣するのが困難な泡盛の飲み方、泡盛の香りを理解してもらう場を設けることなどを提案としてまとめ、発表しました。結果は、惜しくも予選敗退となってしまいましたが、授賞式では努力が報われ、特別賞をいただくことが出来ました。

泡盛の研究を通して、商品の本質はどこにあるのかを突き止め、消費者が求めているニーズと如何にマッチさせるかが重要とだということを身をもって知りました。それと同時に、ニーズと結びつける難しさ、結びついたときの達成感も知ることができました。この経験を次に行う研究にも生かしていきたいと思います。

(文責)上野祐美

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