中間報告

肌寒さが身に染みる日々が続き、ますます冬の訪れを感じますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。昨今新型コロナウィルスの感染が拡大しておりますので、日々の体調にはお気を付けください。
さて、11月12日のゼミでは、インゼミ中間報告が行われました。

一つ目の班は早川班で、テーマは、「野菜購入を促す制御焦点に基づいたメッセージとは?」です。彼らは、近年の生活習慣病の増加や、接種状況が悪化している点に着目し、「促進焦点または予防焦点に重きを置いた広告メッセージと、同伴者の存在が消費者の野菜購買意欲に与える影響を明らかにして、どの場合が購買意欲を高めるのかを考察し、消費者に野菜接種を促すこと」を研究目的に掲げました。促進焦点とは、ポジティブな結果を目指す目的志向性、予防焦点とはネガティブな結果の回避を目指す目的志向性のことです。そして、予防焦点の内容に対する購買意欲は家族が同伴した際に一番高まり、促進焦点の内容に対する購買意欲は友人が同伴した際に一番高まるのではないかということを仮説として打ち立てました。発表後、仮のアンケート用紙がゼミ内で配布されたのですが、広告メッセージよりも商品画像に目が行ってしまう点や、記載されている文章がもっと簡潔であるべきなどの点が意見として挙げられました。

二つ目の班は山田班で、テーマは「ARマーケティングの可能性」です。ARとは現実空間に現実とは別の空間の情報を重ね合わせたもののことを指します。彼らは、スマホの普及率の高上や、ARマーケティングが消費者の行動を変容させる点に着目し、「実際の商品と画面越しの商品でのギャップをAR技術で埋めること」を研究目的に掲げました。ARとは現実空間に情報を重ね合わせたもののことを指します。そして、オンラインの商品提示方法と比較してARの商品提示方法の方がコントロール感が高まり所有感が増大するのではないか、オンラインの商品提示方法と比較してARの商品提示方法の方が重量感が高まり所有感が増大するのではないかということを仮説として打ち立てました。コントロール感とは自分に関連する人・物や状況などを自分の思い通りにコントロールしているという感覚の程度のこと、所有感とは物事に対して抱く自分のものであるという感覚のことを指します。発表に対する意見としては、論文内容の導き方の不自然さなどが挙げられました。論文の内容は「状況」→「複雑化」→「疑問」の順で行われます。

三つ目の班は渡辺班で、テーマは「加速化するネット市場と深刻化するゲーム依存」です。彼らは、スマートフォンの普及率の高さ、ゲームに対するマイナスなイメージに着目しました。そして、損失回避の心理が働くこと、優越性の欲求や自己顕示欲が働くこと、簡単に人間の基本欲求が満たされることなどがゲーム依存に結びついているのではないかと推論しました。発表に対する意見としては、研究目的や仮説がはっきりしていない点が挙げられました。

四つ目の班は秋山班で、テーマは「健康食品の胡散臭さを無くすには?」です。彼らは、健康食品に含まれる暗示的表現によって消費者は様々な推論をしている点に着目し、「健康食品の胡散臭さを生むパッケージを栄養強調表示と人物の2点から明らかにすること」を研究目的に掲げました。そして、栄養強調表示の仮説として、ひらがな表記の「~たっぷり・~ひかえめ」よりも漢字表記の「高~・低~」を用いたほうが健康的な食品の購買意欲が高まるのではないか、低関与消費者は「高・低」表示より「たっぷり・ひかえめ」表示を用いたほうが高関与消費者に比べ健康的な商品の購買意欲が高まるのではないか、高関与消費者は「高・低」表示より「たっぷり・ひかえめ」表示を用いたほうが低関与消費者に比べ健康的な商品の購買意欲が高まるのではないか、の3点を打ち立てました。発表に対する意見としては、「胡散臭さ」という概念の曖昧さなどが挙げられました。

MRGP本番まであと一ヶ月、今回明らかになった問題点を改善し、本番に向けてより良い研究にしていきましょう!

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