大阪経済大学芳賀ゼミとのインゼミ

心地よい冬晴れの続くこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。12月も半ばとなり、朝夕は一際冷え込むようになりましたので、どうぞご自愛ください。

さて12月10日木曜日には、大阪経済大学芳賀ゼミとの合同ゼミが行われました。卒業論文やMRGPに向けて各々が進めてきた研究を発表し、双方で意見を交換し合うことで、お互いに良い刺激を受けることが出来ました。また、今回の発表では、各班の発表後に各々がアンケートを回答することで、合同ゼミに参加した全てのゼミ生の評価を受けることが出来ました。

ここで芳賀ゼミの方々の発表内容の一部を紹介したいと思います。芳賀ゼミのTさんの研究テーマは、「店舗選択および満足度と個人特性の関係性分析」です。彼は、同じ接客を行ったとしても、対処者の属性によって満足度や評価が異なる可能性に着目し、「個人特性である対人不安傾向や権力格差主義の程度によって、選択店舗の接客評価及び満足度を定量化すること」を研究目的に掲げました。接客における対人不安傾向は主にシャイな人のことを指し、権力格差主義傾向は主に客がエラいと思っている人のことを指します。そして、接客における声掛けが嬉しくないのは対人不安傾向の程度が高い人であり、接客における声掛けが嬉しいのは権力格差主義傾向の程度が高い人であるということを仮説として打ち立てました。実験の結果、対人不安傾向の程度が高い人は会話が無いと顧客満足が高まり、権力格差主義傾向の程度が高い人は会話に関係なく顧客満足が低いことが明らかになりました。私も実際にアパレルショップに服を買いに行った際、話しかけられることに対して億劫に感じていたので、個人的に納得感のある内容だと感じました。

芳賀ゼミのOさんの研究テーマは、「体験欲求と食物新奇性愛好が昆虫食への態度に与える効果の定量化」です。彼は、人口の増大に伴った食糧危機や環境負荷の増大から昆虫食に着目し、「昆虫食を普及させる為に昆虫食のイメージを良くするにはどうしたら良いか?良いイメージを持っているのは誰か?」を研究目的に掲げました。そして、刺激欲求の高い人は食虫意向が高いのではないか、食物新奇性愛好の高い人は食虫意向が高いのではないか、刺激欲求の高い人は食物新奇性愛好が高いのではないかという3つの仮説を打ち立てました。刺激欲求とは多様な刺激や新奇な刺激、複雑な刺激への欲求ことを指し、食物新奇性愛好とは新奇な食物に対しその摂取を躊躇し、摂取を拒否する行動傾向のことを指します。実験の結果、仮説の内容は全て支持されました。私は食虫経験がありませんし、食虫に対してネガティブな印象を抱いていますが、だからこそどのような人が食虫に対して高い意向を持つのか、興味深く思いました。

芳賀ゼミのSさんの研究テーマは、「母親と中高生の子供との被服行動・価値観相違の定量化」です。彼は、衣料品のメインターゲットが40代の世帯であり、特に中高生の子供を持つ世帯がメインターゲットになっている点に着目し、「親と子の被服行動・価値観の相違について、規範意識、流行性、機能性、経済性の4つの側面から総合的に定量化すること」を研究目的に掲げました。そして、今後実験及びその分析を更に進めていくそうです。親子でまとめて衣服を購入しているにもかかわらず、親と子でその衣料に対する行動や価値観に違いが生まれるという観点が面白いと感じました。

芳賀ゼミのTさんの研究テーマは、「カテゴリー別の新商品採用時期を用いた革新性尺度の検討」です。革新性とは個人が自分の属する社会システムの他の成員よりも相対的に早くイノベーションを採用する程度のことを指します。彼は、消費者革新性において、カテゴリー別+自己申告で採用情報の測定を行う方法が使われていない点に着目し、「カテゴリー別に消費者の新商品に対する態度を測定する革新性尺度を作成し、信頼性・妥当性を検討すること」を研究目的に掲げました。そして、今後実験及びその分析を更に進めていくそうです。尺度そのものを再検討するという観点が新鮮で、興味をそそられる内容でした。

芳賀ゼミの方々の発表は我々にとって気付かされることの多い内容でした。中川ゼミも土曜日の合同ゼミから更にブラッシュアップしたものを発表し、芳賀ゼミの方々から沢山の有意義なご意見をいただきました。MRGP本番も来週に迫ってきています。今回の経験を踏まえ、自身の研究を更により良いものにしていきましょう!

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