MRGP予選はじまる!

12月に入り、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたが、体調に気を付けて過ごしましょう。12月4日はマーケティング系ゼミのインカレのMRGPの予選が行われ、11大学203名の学生計41チームが参加しました。

今年のMRGPも昨年に引き続き新型コロナウイルスの影響により、ZOOMでの開催となりました。ただ去年と違う点は、昨年は予選と決勝を同じ日(日曜日)に実施していましたが、今年は予選が土曜の午後、決勝が日曜の午後と2日に分かれたことです。各会場の1位の6チームと、各会場の2位のうち上位2チームの計8チームが決勝進出になります。MRGPでは予選の評価は学生ではなく教員によっておこなわれます。

中川ゼミは班ごとに教室で集まり、会場1、会場2、会場3、会場6で発表を行いました。以降、会場ごとに感想を書いていきます。

 

会場1 エルク タイトル「両価性を踏まえたエシカル商品における説得コミュニケーション」

第1会場ではエルクが出場しました。本研究では態度と行動の乖離に着目して、エシカル商品において適切な説得コミュニケーションをするために、どのような訴求方法が良いのかについて研究しました。研究を行った結果、木製スプーンのような両価性が低いエシカル商品を販売する際は、両面呈示を積極的に行った方が良いということ、また両価性が高い消費者に対しては、抽象メッセージよりも具体メッセージを呈示した方が、「態度と行動の乖離」を減らすことができると考えられることを明らかにすることができました。

そして本研究に対する意見としては、仮説3の解釈レベル理論において、「なぜエシカル商品は心理的距離を遠く捉える」という導出はそうとは断定できないのではないかという意見や、予備調査において、「両価性が高いものがTシャツであり両価性が低いものがスプーンだという結果が出たが、関与で違いが生じているからなのではないか」というご指摘もいただき、大変参考になりました。また学生らしい、パワフルなプレゼンだったという意見もいただくことができました。

 

 

会場2 呪術高専名城校 タイトル「消費者にサステイナブル商品を選択してもらうには?」

 

第2会場では、呪術高専名城校が出場しました。本研究では、近年注目されているサスティナブル商品について、実際に購買している消費者が少ないことに目をむけ、罪悪感を喚起させるPOP等のメッセージによる販売促進方法について研究しました。その結果、メッセージにより罪悪感を喚起させることで、購買意図が上がるということを明らかにしました。審査員の方から、研究に対して「クオリティが高い」、「高度な分析を行なっている」等、お褒めの言葉を頂き大変嬉しかったです。ただ、「サスティナブル商品というポジティブな商品を、ネガティブな感情である罪悪感を利用して購買してもらうのはいかがなものか」という意見も頂戴し、結果、惜しくも予選敗退となりました。

他大学の研究では、商品のジェンダーステレオタイプに関するものや、Twitterのいいねを増やす方法についてなど、現代社会に沿ったものばかりで、興味深くプレゼンを聞かせていただきました。

 

会場3 チョコラBB  タイトル「ジェンダーステレオタイプが生じる商品を男女共に買ってもらうには」

第3会場には、西河原班チョコラBBが出場しました。本研究では、「自分は男性(女性)だから」といった理由で気になる商品を購入出来なかったという私たち自身が日常で感じた問題意識から、研究を進めていきました。そこで私たちは、男女ともに使用できる男女兼用商品であり、さらに、ジェンダーステレオタイプもある商品(男性的ステレオタイプ=日傘、女性的ステレオタイプ=ネクタイ)を研究の対象として、ユニセックス表記をしたら購買意向が上がるのかという仮説を立てました。また、ユニセックス表記をしたうえで、商品に使用するモデルのイラストが男女両方のモデルではなく、消費者の性別と同じモデルの方が購買意欲が上がるのではないかという仮説も立てました。その結果、ネクタイと日傘においてユニセックス表記を用いても購買意向は上がりませんでした。しかし、日傘においては男性に比べで女性が男女イラストを用いた時に買いやすさが高まることが分かりました。また、ネクタイにおいては、女性に比べて男性では同性のイラストを用いた時に買いやすさが高まることが分かりました。つまり、ジェンダーステレオタイプ商品を売り出す場合、男性の売り場では男性イラストを使用するべきであり、女性の売り場では男女イラストを使用すべきと考えられます。

第3会場では、審査員の方々以外にも多くの学生が意見を交わし、各大学のグループ発表が盛り上がりました。その中で、私たちの研究に対する意見として、ジェンダーステレオタイプに注目した点が、「今回のMRGPのテーマの一つであるSDGsとマーケティングのトピックとして重要な内容であった」、「自分たちの問題意識から先行研究のレビューが行えているため、研究にオリジナリティーがある」と好印象を持っていただくことができました。しかし、今までの中間報告でも指摘があったように、「複雑な実験デザインであり情報量が多いため情報処理が大変だった」、カッコ仮設導出のプロセスに意味が分かりにくいところがあり、先行研究の本質を読み解くことでより説得力のある内容になった」とご指摘をいただきました。結果、残念ながらチョコラBBは決勝に進むことはできませんでした。1年を通して真剣に研究に取り組んできたので本当に悔しいです。しかし、グループの活動を通して仲を深めることができたので素晴らしい思い出となりました。そして、第三会場から他の2つのグループが決勝に進むなどどのグループもレベルが高い素晴らしい発表だと思いました。

 

会場6 うさぴょい タイトル「環境配慮型製品の購買に有効なPOP内容とは?」

 

第6会場ではうさぴょいが出場しました。本研究では環境配慮型製品の購入を促進させるための要因を明らかにすることを目的としています。消費者が環境配慮型製品を購入しないのは、環境配慮型製品を知らないことが理由であるため、消費者の目に留まりやすいPOPを使用しました。仮説では、ネガティブメッセージや社会規範メッセージを用いた訴求内容の方が、購買意欲が向上するという仮説を立てました。さらに、パッケージに緑色を使用すると購買意欲が向上するという仮説を立てました。発表後の意見・質問の時では、モラルメッセージは環境について書かれているが、社会規範メッセージには環境について触れられていないという意見がありました。対照実験となっていないことで仮説が棄却されてしまった可能性があるため、今後はよく考えてからアンケートを作成していきたいです。また、メッセージなしではどのようなPOPとなったのか、「環境配慮型製品のパッケージに緑色を使用すると購買意欲は向上する」の仮設3と仮説導出の繋がりを知りたいという質問がありました。

残念ながら私の班では全ての仮説が棄却されてしまいましたが、この1年間の成果をまとめ、発表することができたので良かったです。会場6で印象に残った発表を紹介します。大瀬良ゼミ⑥では、パッケージによる心理変化を理解することができれば、エシカル消費を増やすことにつながるのではないかと考え、「パッケージの要素が各商品の印象にどのような影響を与えているのかを明確にし、エシカル消費を促すパッケージはどのようなものなのかを解明する」ことを研究目的としました。実験により、高彩度のサステナブルな色のパッケージよりも、低彩度のサステナブルな色のパッケージの方が環境に配慮している商品であると感じることが支持されました。

このことから私の班で環境配慮型製品のパッケージに緑色を使用すると購買意欲が促進するという仮説が棄却されたのは、パッケージの色が高彩度であったことが原因である可能性があることが分かりました。低彩度の環境配慮型製品のパッケージでもう一度実験し直したいと感じました。

 

名城大学中川ゼミではエルク班がワイルドカードで決勝に進みました。残念ながら残りの3班は決勝に進むことができませんでしたが、どの班も1年間の努力の成果を発揮できたと思います。来年は全班が各会場で1番となり、決勝に進出できるように頑張ります。

 

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