消費者は雰囲気で購入するのか(ゼミ第10回目)

エアコンをつけると暑く、消すと寒い。最近はそんな気候に感じます。皆さんはいかがお過ごしですか。

さて、第10回中川ゼミでは前半に課題の発表を行い、後半に教科書の発表を行いました。

前半の課題発表では今回は2つ課題がありました。1つ目は第8回に出された課題、2つ目は第9回に出された課題です。一つ目の課題は「食品を対象とするブランドパーソナリティのアンケート調査」です。調査方法はGoogleフォームでアンケートを作成し、それを各班15名に回答してもらいます。アンケート内容は「食品を対象とするブランドパーソナリティのアンケート調査」についてAaker (1997) の42項目の尺度を使用し、5件法で定量調査を行いました。前回指摘された誤った部分は改善できました。次週はアンケート結果を「誠実」「興奮」「能力」「洗練」「耐久性」の5つに分類し再度まとめ発表します。

2つ目の課題は「自分自身の購買行動を振り返って、非補償型での購買に至るケースと、補償型で購買に至るケースの両方を取り上げ、それぞれを説明してください。」という課題です。ここで非常に興味深かった4班の発表内容を取り上げます。4班は購買の仕方はその時の環境・状況また商品の価格によって使い分けるというものでした。わたしはこの考えがありませんでした。しかし自身の購買行動を振り返ると心当たりがありました。そのためとても興味深かったです。

後半は山田・池内(2018)の教科書の8章「雰囲気で買ってしまう?」について学びました。第2節では「良い気分・悪い気分が商品に与える影響」について、第3節では「恐怖感情・ユーモア感情」について、最後の第4節では「主観的感覚は商品評価にどう影響するか」という内容です。第2節はユニット間の関係性の法則(入山章栄 2019『世界標準の経営理論』ダイヤモンド社、p.749)でいえば、モデレーティング(調整)効果のことです。つまり、商品が評価判断に与える効果について、調整効果である感情が影響を及ぼしている、ということです。この感情というのは、具体的にはネガティブ or ポジティブのことです。感情状態がポジティブな方が商品に対する好感度が高く、また商品やサービスについてよく考える程度が低くなるといった実験結果がでました。第3節は恐怖コミュニケーションの効果に影響を与える要因が以下の3つあります。すなわち、①受け手のもともとの態度、②脅威への対処として提案される方法の効果の程度、③商品に対する消費者の関与度の程度、です。それぞれユニット間の関係性の法則(入山章栄 2019)でいえば、第2節と同じモデレーティング(調整)効果になります。基恐怖感情を含むメッセージが評価に与える影響について、調整効果として①受け手の態度、②脅威への対処方法、③関与になります。このなかで、③の商品に対する消費者の関与の程度に関する調整効果を取り上げます。商品に対する関与度が高いと知識があるため恐怖を感じやすく、購入意図が高くなります。ゼミ内の議論でこの研究に対する批判的な意見として、関与が低い(知識がない)消費者の方が恐怖コミュニケーションの効果が期待できるのではないかといった意見が議論のなかで出てきました。

来週からは対面でのゼミが始まります。少し緊張しますが精一杯取り組んで行きたいです。

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