MRGP本番!決勝に進出し、特別賞を受賞

冬の寒さが厳しくなり雪も降りしきる季節となるとともに年の瀬という事で忙しい季節となりましたね。新型コロナウイルスの感染者数も連日増加の一途を辿っており益々の注意が必要となっています。皆さんどうか体調にお気をつけてください。さて、遂にMRGPの本番がやってきました。今年のMRGPでは、新型コロナウイルス拡大に伴ってZOOMを用いたオンラインでの開催となりました。当大会では、午前に5つの会場にて各6つのチームが予選を競い合い、決勝戦に進む代表1チームが決まります。午後に各会場を勝ち残ったチームで決勝を行います。以下、各予選会場ごとに報告を行います。

第1会場 レクチン タイトル「パッケージの顔写真の表情は、健康食品の商品評価を向上させるか?」 

第1会場では、レクチンが出場しました。本研究では、健康食品のパッケージに写る人物の表情に注目し、笑顔と真顔、および男女で購買意欲にどのような影響を与えるかについて研究を行いました。その結果、予測した仮説とは反対に、笑顔よりも真顔の方が購買意欲を高めること、そしてそれは「うさん臭さ」を媒介するということ、さらに男性よりも女性の方がより顕著に、笑顔の方が真顔よりも「うさん臭さ」を高めるという調整媒介効果があるということを明らかにしました。

発表では発表者全員が落ち着いて良い発表を行うことができました。審査員の方々や他大学の学生の方々のご意見を聞くと皆さん好印象を持っており、良い評価を受けることが出来ました。具体的には、「研究が面白い」「分析が高評価、媒介分析まで行うのが良い」「先行研究が豊富で論知的に仮説を導き出している」「全体のクオリティが格段に良い」といったご意見をいただきとても嬉しい気持ちになりました。また、今回の研究では、全ての仮説が棄却されるという結果でしたが、その結果を真摯に報告するという研究に対する姿勢も褒めていただきました。一方で、「真顔、笑顔の定義とは何か?」「うさん臭さとはどのような要因で発生するのか?」「人物の職業等で変わるのでは?」といったご指摘もいただきました。これについては今後の課題となってくると思います。そして結果としては、レクチンは第1会場の代表チームとして選ばれ決勝に進出することができました!!

第2会場 鬼殺隊 タイトル「AR(拡張現実)の感覚はオンラインショッピングにどう影響を与えるか?」 

第2会場では、鬼殺隊が出場しました。本研究では、近年普及しているAR(拡張現実)に注目し、ARを用いることによって消費者に所有感、コントロール感、リアル感といった感覚に影響を与えることを通じて消費者の製品評価に影響を与えるのではないかと考え、実際にソファおよびスニーカーによる実験を行って、通常のオンラインの場合とARの場合を比較しました。その結果、ARは所有感、コントロール感、リアル感といった感覚を媒介し、商品評価に影響を与えることを明らかにしました。

なお第2会場ではコロナ禍で話題となったフードデリバリーや、若者のスラングである「エモい」という言葉に着目したもの等、学生ならではの着眼点から発展した研究が多く見られました。また、データに潜む複雑な因果関係を見つけ出そうとする、QCAという分析方法を使用している班もあり、新鮮で興味深く感じました。鬼殺隊は惜しくも予選で敗退してしまいましたが、審査員の方々からは分析の丁寧さを褒めていただき、第2会場の中では2番目と高評価をいただくことが出来ました。ご指摘としては、「商品カテゴリーによって変わるのでは?」という意見を頂いたので今後の課題としていきたいです。

第3会場 ベジ隊 タイトル「制御焦点に基づいたメッセージと同伴者の存在による野菜購買への影響」 

第3会場では、ベジ隊が出場しました。本研究では、日本人の野菜摂取量が推奨されている摂取量に満たないという問題を背景として、野菜摂取を促す広告メッセージに注目しました。そして広告メッセージにも制御焦点理論に基づき促進焦点と予防焦点の2つが存在することに着目し、また食事の場面において同伴者の有無、同伴者が家族の場合、友人の場合など同伴者の違いにも着目し、それらの違いによって消費者の野菜に対する購買意欲も変化すると考え研究を進めました。研究に対する意見としては、「緻密に計算されており良かった」「考察が論理的に述べられていた」など好印象を持っていただくことが出来ました。一方で「サラダに様々なバリエーションがあると面白いのでは?」「内容が濃く発表時間内に理解することが困難であった」というようなご指摘が挙げられました。また、本研究では野菜に対してであったがこれが他のカテゴリーでも同じことが言えるのかという疑問点が生まれたため今後に活かしていきたいです。結果としては、残念ながらベジ隊も決勝に進出は出来ませんでした。

 

続いて、午後に決勝が行われました。決勝に進出したのは、以下の5チームでした。

第1会場:名城大学中川ゼミ
第2会場:駒澤大学中野ゼミ①
第3会場:駒澤大学中野ゼミ②
第4会場:駒澤大学中野ゼミ③
第5会場:青山学院大学石井ゼミ
 

決勝では、教授のみならず企業のゲスト審査員の方々も参加していただき、参加している全学生を含めて多くの方々に見守られながら行われました。そのため予選とは違った緊張感がありました。しかし、レクチンの発表では同じ第1会場で惜しく出場出来なかったチーム、中川ゼミの鬼殺隊、ベジ隊の想いも背負って堂々と発表を行うことが出来ました。そして結果として特別賞を受賞することが出来ました。この結果は大変光栄なものでありゼミ生一同嬉しい気持ちとなりました。レクチンの発表を行った一人である2年の大津さんに決勝に出た感想を聞いたところ、「第1会場は、レベルの高い研究が多く、自分たちが決勝行けるとは思わなかったため大変嬉しかった」と言っておりまた、「皆で協力して研究を進めていった事、発表練習を何度も繰り返し行ったことが決勝進出に繋がった」と言っていました。さらに、来年の抱負では「来年もチームで協力していき、決勝に進出したい」と言っておりとても頼もしかったです。

レクチンが特別賞を受賞できたのも、チームリーダーである秋山さんを中心に研究に対して真摯に取り組むことが出来た結果だと思います。また、学生だけでは受賞できなかったのも事実です。中川先生が私たちの研究に真剣に向き合ってくださり、アドバイスなどをしてくださったおかげです。チームを代表して先生に感謝申し上げます。さらに、中川ゼミの他の2つのチームの皆にも感謝したいと思います。レクチンのみではなく、各チームが全員で当大会に向けて一丸となり研究に取り組むことができ、完成度の高い研究を作ることが出来ました。来年は今年より良い結果を出せるように2年生には頑張ってほしいです。

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