美しさと魅力の心理 第2部➁(ゼミ第11回)

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。6月の17日に第11回中川ゼミが行われました。今日は前半に今週の課題発表、後半には「美しさと魅力の心理」(三浦佳世・河合純一郎/編著)の第Ⅱ部、日常のなかにみる「美しさと魅力」のⅡ-9~14の教科書レビューが行われました。前半の今週の課題発表では、「日常的に使われているデルブーフ錯視の例を挙げる」について各班による発表が行われました。例として眼鏡などが挙げられます。眼鏡はフレームの幅の違いによって、目の大きさが変化します。フレームが大きいものは輪郭がへこんで見えることから目が小さく見え、逆にフレームが小さいものは輪郭が見えにくいことから目が大きく見えます。また他にもタイヤのホイールやピザなどユニークな例が挙げられました。

次に後半に行われた「美しさと魅力の心理」における教科書レビューでは、個人的に気になったものをいくつか紹介していきたいと思います。

「かわいい」を感情としてとらえる、によるとこれまで「かわいい」を考える時にはベビースキーマ(かわいさを構成する要素)を元にしていると考えられてきましたが、現在では必ずしもそうではないとされています。例として、キモかわいい(気持ち悪い+かわいい)やブサかわいい(不細工+かわいい)などという言葉が挙げられます。このようなかわいいの多様性は、かわいい感情がベビースキーマに対する自動的な反応ではないことを示しています。また先ほど同様に「キモかわいい」を例にしてかわいいと思われる理由について考えてみると、「気持ち悪いと言う人もいるけど私はかわいいと思う」などという個人の思いが表現されています。このことから「かわいい」とは対象の属性のことではなく、対象と属性の関係性を評価すること、つまり主観により生じるものだという考え方もできます。

ブランドロゴつき服は魅力的に見えるか?ではブランドロゴつき服が魅力的であるかについての実験において、魅力評価があまり変わらなかったもののその服を着て募金活動をするとブランドロゴつきの方が多くの募金額を集めることができたという結果であり、またロゴに種類で募金金額を比較してみると高級ロゴを着ることで平均寄付額が上がるという結果になりました。この結果について高級ロゴつき服を着た人が募金をしていると逆に募金したがらないのではないか、や男女・顔によって結果が変わるのではないかという批判的・見解もありました。この実験は韓国で行われたため、文化や人種に対する偏見によってブランドロゴつき服を着た他者の印象が変わると思いました。

また衛生マスクは魅力を上げるか?について本書はコロナおけるパンデミック前に出版されたため、現在ではマスクにおける人々の認識も違うと考えられます。またコロナ収束後に同じ実験をすることでも結果が変わるだろうと予想することができます。コロナ収束後における新たな研究結果も楽しみに感じます。

教科書レビューで大切なのは、学んだことが活用されている例を挙げ、どのようにマーケティングの分野で活かすことができるかを考えることが必要です。そのため、マーケティングへのアプローチ方法も考えながら来週も理解を深めていこうと思います!

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