MRGP中間報告

9月6日に駒澤大学中野ゼミ・武谷ゼミ・東洋大学大瀬良ゼミ・成蹊大学井上ゼミ・大東文化大学五十嵐ゼミ・千葉商科大学松本ゼミ・亜細亜大学福田ゼミ・中京大学津村ゼミ、そして名城大学中川ゼミ合同で、zoomによる中間発表が行われました。各ゼミから多くの班が参加しているため、いくつかの班に分かれて発表を行いました。中川ゼミは第3、4、5、6、会場にて発表を行ったので、会場ごとにそれぞれのメンバーの感想を書いていきたいと思います。

・第3会場

ここでは中川ゼミ1班が中間報告を行いました。今回の発表では自分たちの研究の短所や長所に気づかされました。まず先生方から「エシカル商品がそもそも両価性を有するのか」というご指摘を受けました。これは現時点で最も重要な課題となっています。なぜならエシカル消費に興味・関心はあるが、実際に購買には至っていないという態度と行動意図の乖離は、両価的な態度(正の評価と負の評価を同時に持つこと)が引き起こしている、という前提のもとに研究を進めているからです。他にも『「自己評価式尺度では人々の実際の行動を予測できない」と前述しているのにも関わらず、アンケート調査の方法は結局自己評価式尺度を用いており、矛盾しているのではないか』などの的確なご指摘を多くいただきました。また、パワーポイントも2色のみで構成され、とても見やすいものがありました。発表の仕方もゆっくりハキハキと話すとても聞きやすいチームもありました。私たち班は「もう少し内容をまとめた方がわかりやすい」トのご意見があり、又緊張のせいもあり、終始早口でした。

 しかし、嬉しいことに今までにない切り口であることや、面白い研究で楽しみにしているなど、お褒めの言葉をいただきました!!今回の中間発表では自分たち班にまだまだ改善の余地があることがわかりました。最終発表に向けて班全員で真剣に取り組んでいきたいます!

他大学の方々の発表のクオリティの高さにも驚かされました。皆さんはネットで買い物をした際「思っていたのと違う!」といった経験はありませんか?私は何回かあります。赤色のニットを購入したらオレンジに近い色だったり、サイズが思いのほか小さかったり、、オンラインでの買い物はとても便利で外出自粛を求められている今にぴったりですが、実際に手に取ることができないため、このようなトラブルが起きます。そこで、そういった実際の商品と自身のイメージが異なってしまう認識の違い、特に”色”に着目し、これを解決しようという研究がありました。オンラインでの買い物はとても身近だし、自分も実際に経験したことがあり、さらに私達のゼミの先輩も”色”についての研究を行っていた方がいらっしゃったのでとても興味深いと感じました。

色の表現の仕方は様々です。一口に「赤色」と言ってもボルドーや朱色、トマト色、さくらんぼ色など数え切れないほど種類があります。また同じ赤色と言っても人によって思い浮かべる色は異なるのではないでしょうか?そういった認識の違いをどの表現ならば、打開できるかというのはとても面白いと感じました。「オンライン時代に合った色の表示の仕方を明らかにする」という研究目的は「確かに!気になる!!」ととても興味を引かれる内容でした。

別の班では昆虫食について発表を行っていました。昆虫食と聞いて「食べてみたい!」と思う日本人はどれほどいるでしょうか?私は自分が昆虫を食べている姿を想像できませんでした。種類にもよりますがどちらかというと”彼ら”に接触すらしたくありません。皆さんも触ることができる人はいると思いますが、食べるとなると抵抗感を覚える人が多いと思います。その理由の一つに昆虫食文化が根付いていないことが挙げられるとその班では述べられていました。

昆虫食には多くのメリットがあります。飼育も容易で水も場所もそれほど使わないので環境に優しく、栄養も豊富で、加工も簡単です。つまり環境問題や飢餓問題が深刻化している現代においてマッチしている食事なのです。イメージとは裏腹に高いポテンシャルを秘めている昆虫食、これを多くの人に受け入れてもらうために、この班では以下のような研究目標を掲げていました。「心理学や社会的動向も含めた心理学的アプローチは昆虫食に対する偏見を払拭するうえで、有効だと仮定し、これらが本当に昆虫食普及に効果があるのかを明らかにする」

私も昆虫食がどうしたら受け入れてもらえるのか、その方法にはとても興味があります。昆虫をおいしく食べられる日もそう遠くないのかもしれません。

 

・第4会場

僕たちは「ジェンダーステレオタイプ製品を男女ともに買ってもらうには」というタイトルで発表を行いました。ジェンダーステレオタイプとは性別に関する社会に浸透しているイメージのことで、それが働くことによって購買を妨げてしまっていると考えられるものを改善しようというのが僕たちの研究です。そして男性用、女性用ではなく、ユニセックス表記に変更する、つまりラベリングを用いてステレオタイプの軽減を図るという発表を行いました。発表後に、「表記方法だけでなく、色やデザインなど、他にもステレオタイピングしている要因があるのではないか」や「情報量、キーワードが多すぎる」などの貴重なご意見をいただきました。これを班内で検討、改善し、研究がより良いものしていきます。

第4会場では私たち以外の班の発表もどれも素晴らしい物ばかりで、特に中野ゼミによる廃棄予定の花の活用についての発表がとても興味深かったです。皆さんは生花を買うことはありますか?生花は結婚式やパーティーの時、開店祝いなど、特別なイベントの時に求められることが多く、家に花を飾る習慣がない人以外はあまり買わないかもしれません。

現在、コロナ渦で多くのイベントが自粛という形で行われず、生花業界はピンチに追い込まれています。そして生花の廃棄がさらに深刻になってきているのです。そこでこの班では廃棄予定の花を使った商品の購買を促進することによって問題解決を行おうとしていました。僕自身、生花があまり身近な存在ではなく、大量廃棄が行われていることも知らなかったので、とても興味を引かれました。

さらにその促進の方法もかなり特徴的で、擬人化した花たちが登場するCMを放映することで販売促進を行うというものでした。現在放映されているCMでキウイが擬人化されて、やりとりを行うというものがあります。これと似たようなものを行うことで廃棄予定の生花を使用した物品の販売促進を行おうというのです。これを聴いたとき、キウイは食品だが、生花は観賞用のもので、あまり普段の生活に馴染みのあるのもではなく、同様の効果があるのだろうかと疑問に思いました。しかし、この班では生花自体ではなく、あくまで廃棄予定の生花を使ったしおりや匂い袋などの販売促進を行うことを目的にしており、より生活に身近なものを取り扱っていたのでよく考えられていると感じ、とても勉強になりました。

どの班も中野ゼミに負けず、オンライン接客のあり方についてや、店内BGMが与える味への影響の研究だったりと内容の濃いものばかりだったので、私たちの班も負けないように活動していきたいと思います!

 

・第5会場

各班の発表後に教授方からアドバイスを受け取りました。私たちの発表については、「とても思いが感じられる発表であった」とお褒めの言葉を頂きました。また、研究の実験方法についてのアドバイスや、意見なども頂きました。会場全体に向けてのメッセージの中で、「研究のリアリティーを高めていくことがとても重要である」という言葉が印象に残っています。自分たちの研究が実務や社会に役に立つようにするにはどうしたらいいのか考えることで価値あるものになるのだと感じました。この報告会でいただいたアドバイスを生かしながら、最終発表に向けてグループ一丸となって取り組んでいきたいと思います。

他大学の発表では、私たちの班と同じようにSDGsをテーマに研究している班が多かったです。特に気になった発表が2つあって、一つ目が伝統的工芸品を活かした町おこしを目指すもので、最近オンラインでの販売の普及によって、田舎であっても世界を相手に取引をすることができるようになってきているので、より日本の魅力を発信していくうえでもこの研究はとても意義があるものだと思いました。2つ目はリモート環境における所有感の向上についての研究です。コロナ渦の今、リモートでの会議や講義も増えて来ていますが、なかなか実際に集まるのと同じようにすることは難しいです。そのためリモート環境について考えていくというのは私にとっても身近な問題なので、とても興味を持ちました。この2つの班以外も私たちが考えもしなかった研究が多くて、とても面白かったです。様々な発表から刺激を受け、私たちの研究をパワーアップしていきたいです。次回の発表がさらに楽しみになりました。

・第6会場

第6会場ではMJグリーンが出場しました。本研究では「環境配慮型製品を消費者に購買促進させるためには」をテーマとして発表しました。発表途中にパソコンの電源が切れてしまったので、今後そのようなことがないように気をつけたいです。

「環境配慮型製品の枠組みが大きすぎる」や「環境配慮型製品の意識が高まったというデータが必要」、「研究目的が行政の視点になっているため、人がどういう動機で購入するのかなどの研究者としての視点が必要」といった意見を頂きました。指摘されたところを直し、より良い研究になるようにしていきたいです。

そして第6会場で特に印象に残った発表は千葉商科大学の松本ゼミです。感染対策の効果が低いと言われているウレタンマスクなどをファッションの一部や小顔効果、インスタ映えのために使う若者が増加していることから「若者の購買意欲に繋がる不織布マスクの要素を明らかにする」ことを目的とした研究です。女性の方が男性よりも承認欲求が高いと考えられるため、女性はカラーマスクなどのファッションを意識したマスク、男性は白色の不織布マスクを選択するのではないかという仮説が立てられました。

行動範囲が広く、感染者が多い若者を対象に好まれるマスクの特徴を調査することで、不織布マスクの着用率を上げ、感染者を減らそうというものであり、今の時代に合った面白い研究だと思いました。どのチームもイラストや画像を活用してわかりやすいスライドになっていたので参考にしていきたいです。

以上4会場のそれぞれの担当による感想でした。どの班も多くの有意義な意見をもらうことができ、さらに他大学の皆さんの発表から多くの学びを得ることができました。私たちの研究も最終発表に向けて進んでいきたいと思います。

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